最近よく聞く「SDGs」。
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことをゴールとしているらしいが、おそらく一般市民の9割はよく知らないと思う。もちろん、この記事を書くまで俺も全く知らなかった。
規模がデカすぎて、実生活に影響を及ぼすイメージが全く湧かない(笑)
ましてやファッションニュースを扱う当ブログにおいては関係のない話と思っていたが、どうやらそうでもなさそうだ。
この記事では持続可能な開発目標「SDGs」が、これからのファッション業界に及ぼすであろう影響と、それによって起こるトレンドの波について密(みつ)に解説する。

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ファッション感度の高い人が注目している「サステナブル・エシカル ファッション」とは?
持続可能な開発目標「SDGs」は、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた国際目標。
この目標を達成するにあたって重要になってくるのが、サステナブルとかエシカルって言葉なんだ。
ここからは「サステナブル・エシカル ファッション」について紐解いていく。多分知っていて損はしない。
サステナブルファッションとは

https://ethicame.com/shop/information/sustainable02
サステナブルファッション」とは直訳すると「持続可能なファッション」となる。
生産、流通において自然環境や社会に配慮した取り組みがなされたファッションの事を指す。
エシカルファッションとは

https://ethicame.com/shop/information/sustainable02
エシカルファッションとは、「人と地球にやさしいファッション」。
具体的には、素材の選定、生産、販売までのプロセスで人と地球環境に配慮して作られたファッションを指す。
SDGs(持続可能な開発目標)とは?
SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)とは、世界全体で挙がっている課題を解決し、社会や地球環境を変えるために国連が掲げた17の具体的目標。
要は、「より良い世界を作りましょう〜」的なノリ。
ファッションのトレンドが大きく変化する
「SDGs」のノリは単なるノリじゃなくて、国際社会の無言の圧力とフォローがあるから企業も力を入れざるを得ない。当然、今後のアパレル業界のトレンドにも大きく関わってくる。
「SDGs」はブランド価値を高めるキーワード
短期的な利益を求めるなら、今まで通りの「大量生産・大量消費」スタイルがまだまだ有効。
しかし、世界的に注目を集め始めている「SDGs」に焦点を当てる事は、アパレルブランドにとって、生き残りをかけた一大プロジェクトにもなりうる。
「うちのブランドは国際目標の実現にこれだけ貢献してますよ!」という売り出し方をしていけば、国際社会にプッシュしてもらえる。
人々も、「よくわかんねーけど国際社会的にいいんならイケてるんじゃね?」的なノリで注目してくれる。
アパレル業界においてのサステナブルな取り組みとは?
一口に「サステナブルな取り組み」と言っても、その内容は様々で、取り入れ方も企業によって異なる。具体的には以下の5つ。
- 動物の皮、毛を使用しない
- 再生利用でできた素材を使用する
- オーガニックコットンを使用する
- フェアトレードを実施すること
- 受注生産を取り入れること
これらの中から複数項目取り組んでいる代表的なファッションブランドを次のトピックで紹介する。
サステナブル・エシカルファッションに取り組んでいるブランド
ここからは、もう既にサステナブルなファッションに取り組んでいるブランドを4つ紹介する。
allbirds(オールバーズ)
【特徴】
- ミニマルなデザイン
- 洗濯機で丸洗できる
- 再生可能な素材
【素材】
- アッパー:ウール
- ソール:サトウキビ
- 靴紐:リサイクルペットボトル
ちなみに、この「allbirds(オールバーズ)」は、生産性を追求する企業社長&ビジネス系YouTuber「マコなり社長」が激推ししているスニーカーでもある。
彼曰く、「世界一の履き心地」で「全日本人は買った方がいい」とのこと。
値段は写真のモデル「Wool Runners」で定価12500円。「値段と機能性のバランスで考えるなら100点満点!」とマコなり社長は言っている。
個人的には第一世代のイージーブースト350に似ていてカッコいいなと思う。
VEJA(ヴェジャ)
VEJA(ヴェジャ)はフランスのスニーカーブランド。
キャンバス素材はフェアトレードで仕入れたオーガニックコットン。アウトソール素材はアマゾンの熱帯雨林で採れた天然ゴム。アッパーはペットボトルをリサイクルした素材を用いるなど、”サスティナブルな取り組み”を前面に押し出している。
旅行でヨーロッパを周遊していた時によく履いている人を見かけたので、日本ではまだまだ一般的ではないものの、ヨーロッパ周辺ではかなりメジャーになりつつあるブランドなのかもしれない。
Patagonia(パタゴニア)

https://www.patagonia.jp/home/
パタゴニアはアメリカのアウトドア用品メーカー。環境に配慮する商品で知られており、数年前にフリース「レトロX」が爆発的人気を誇ったことも記憶に新しい。
パタゴニアが製造する全てのフリースは少なくとも50%以上リサイクル素材でできている。
UNIQLO(ユニクロ)

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/planet/responsibledownstandard/
もはや知らない人はいないであろう、日本が世界に誇る高コスパファッションブランド。
実はユニクロもサステナビリティな活動に注力している。
具体的には、地球環境に余計な負荷をかけない服。働く人たちの健康、安全、人権を守ること。さまざまな事情で服が手に入らない地域の人々に服を届けることなど。例えば、リサイクルのダウンを使ったり、新しくダウンを生産にしても、水鳥が生きている状態でダウンやフェザーの採取を禁止するなどの配慮を行っている。
多くの人が日常的に着ているユニクロだが、実はユニクロを買うことで、あなたもサステナブルな取り組みに協力していることになる。
サスティナブルなファッションをセレクトするという自己ブランディング
サステナブルなファッションアイテムを取り入れる最大のメリットは「自己ブランディングの確立」だ。
正直、俺一人が地球に優しいファッションを意識したとしても、地球に与えるインパクトは限りなくゼロに近い。てか、ほぼない。
サスティナブルという”流行”を取り入れる事で”ファッション感度が高い人”というイメージを周りに植え付けることができる。
要は、”イケてる奴”としての自分を表現できるようになるのだ。
ファッションは”雰囲気”の構成要素
ファッションとは、(特に衣服の型についての)流行のこと。要は「全体の雰囲気やトレンドを表現するもの」という意味。
トップスやボトムスなど特定のアイテムを指すものではなく、衣服や小物の組み合わせで生み出される雰囲気そのものがファッションなのだ。
その構成要素である、衣服なり小物にサステナブルなアイテムを取り入れていくと、あなたは”最先端をゆく人”の雰囲気を手に入れることができる。
動機は不純で良い
「”ファッション感度が高い人”と思われたい!」とか「イケてる奴だと思われたい!」そんな理由で服を選ぶのは、それこそ”ミーハーだ”と揶揄されるかもしれない。しかし、それでいいのだ。
例え動機が不純だろうと、結果的に地球環境に優しい取り組みを応援していることになる。
無理にサステナブルを取り入れる必要はない
ここまで、「SDGs・サステナブル・エシカル」をキーワードに、これからのファッションについて考察してきた。
ここまで紹介しておいて、こんな事を言うのもあれだが、別に無理して取り入れる必要はない。
自分が「共感できた!良いな!」と思ったら、取り入れればいいだけのこと。
ファッションは自己表現
ファッションとは、”流行”を表す言葉であると同時に、自分を表現する手段であると思う。外見はその人の内面の一番外側の、可視化された部分だ。特に、着ているものは”その人がどんな人であるか?”を表現する一番わかりやすい判断材料だ。
今回紹介した「SDGs」及び、「サステナブル・エシカル」の考え方は今後間違いなく流行となるだろう。
ただ、流行に流されて着るのではなく、本当にあなたが共感できる概念であると判断できた時に取り入れれば良い。