今回は話題の『バーチャルスニーカー』について解説しつつ、俺なりの意見を述べていく。
『バーチャルスニーカー』とは?
バーチャルスニーカーとは文字通りデジタルの世界でしか存在しないスニーカーだ。
実際に手に取ったり履いたりすることはできない。
ただの画像データではない
デジタルと聞いて「なんだ、ただの画像データだろ?」と思った人もいるだろう。しかし、バーチャルスニーカーはNFT(非代替性トークン)と呼ばれる技術を用いて作られている。
NFT(非代替性トークン)
一般的にデジタルデータと聞くと「コピー&ペースト」でいくらでも複製できるデータを想像するだろう。だが、NFTはブロックチェーン技術を用いることにより、デジタルデータに「唯一の価値」を持たせている。
つまりバーチャルスニーカーは複製することができない「唯一無二のデータ」なんだ。
バーチャルスニーカーの価値
実在しないバーチャルスニーカーの価値とは何なのか。
それは、コレクション性および資産性だ。
デジタルデータの所有
複製できない「唯一無二のデータ」で作られたバーチャルスニーカーは”デジタルデータの所有”というこれまでのデジタルの世界にはなかった価値を生んだのだ。
バーチャルスニーカーはその絵面に価値があるのではなく、その絵面に紐付けられたデータに価値があるのだ。
バーチャルスニーカー ”実物がなくても100万円”
写真のバーチャルスニーカーは一足124万円で落札されたそうだ。
実在しないデジタルデータだから、もはや一足と言って良いのかもよくわからない。
株や仮想通貨だってバーチャル
しかし、株や仮想通貨などディスプレイ上の商品に数百万〜数億の価値があることを考えるとさほど不思議なことではないのかもしれない。
そもそもお金という概念自体がバーチャルではないだろうか。
任意のタイミングで実在する食べ物や車などのアイテムと交換できる、その価値を保証されているからこそお金は価値を持つわけで、任意のタイミングで現金100万円と交換できるデータが100万円の価値を持つのは至極当然のことなのかも知れない。
バーチャルスニーカーの使い方
ここからはバーチャルスニーカーの使い方について解説していく。
履けないスニーカーである『バーチャルスニーカー』の使い方はこれまでのスニーカーの在り方、つまり既成概念をぶっ壊している。
画面上で履いて楽しむ
バーチャルスニーカーの使い方としては”画面上で履いて楽しむ”だ。
スマホのアプリを通して着せ替えることができる。
もちろん、実際に履いているわけではないのでディスプレイを通さずに見るとそこには何もない。
SNS映えする写真を撮る
バーチャルスニーカーを実際に履くことはできない。しかし、アプリを通して写真を撮ることは可能だ。
ぶっちゃけSNSでシェアする際にそのスニーカーが実在しているかどうかは関係ない。
情緒的価値の高低が鍵
昨今、洋服は機能的価値ではなく情緒的価値の高低によって評価されているように思う。
つまり着心地がどうとか機能性がどうとかではなく、「シュプリーム」や「バレンシアガ」のロゴが入っているかどうかが重視される傾向にある。
SNSにシェアする際に実際にそのスニーカーが実在しているかどうかは評価軸として不要だ。何故なら人々は自分の手元にあるスマホの画面に映っている画像をみて「いいね!」を押しているから。
SNSでシェアする写真を撮るためのアイテムとして使うというのが、バーチャルスニーカーの一般的にな使い方になるのではないかと予想される。
バーチャルスニーカーは投資商品であってスニーカーではない
バーチャルスニーカーの登場でNFT(非代替性トークン)はより身近な存在となった。
複製できない「唯一無二のデータ」に資産価値を見出す文化が着実に形成されていっている。スニーカーという一般層にも分かりやすい見た目になっているだけで実態は株や仮想通貨などの投資商品に近いものがある。
バーチャルスニーカーは投資商品
現実世界でバーチャルスニーカーを履いて街に繰り出すことはできない。
ともすれば実際は何も着ていないのに「バカには見えない布で作られた服を着ている」と言い張って裸でパレードに参加することになってしまった”裸の王様”になってしまいかねない。
「バーチャルスニーカーは投資商品であってスニーカーではない」ということを念頭に置いて向き合っていく必要があると言えるだろう。