今回は街中でよく見かけるあのクマの人形、ベアブリック(BE@RBRICK)について紹介する。
特に特別な機能があるわけではなさそうなあのフィギュアにどうして人々は惹きつけられているのか、その理由を探っていく。

『ベアブリック(BE@RBRICK)』とは?
そもそもベアブリックとは何なのか。
ベアブリック(BE@RBRICK)とは、メディコム・トイ社が開発したフィギュア。
テディベアをモチーフにしたフィギュアで、2001年に開発されて以来、世界的に大ヒットしている(らしい)。これまで多くのブランドや映画、アニメ作品などとコラボした商品が発売されてきた。
商品の大きな特徴としては、付属パーツを一切付けずにプリントだけでキャラクターを表現していることがあげられる。細かい造形を設計する必要がないことから、商品の素早い開発と量産が可能だ。
時間的・費用的コストを大幅に削減できるため、比較的気軽にコラボ商品を作ることが出来ている。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』は日本のメーカー

https://www.shibuyabunka.com/keyperson/?id=65
そんなベアブリック(BE@RBRICK)をつくるメディコム・トイ社は実は日本のメーカーだ。
メディコム・トイ社のホームページを見てみると分かるが、かなり簡素な作りのHPでとても世界的に人気のフィギュアを作っているメーカーには見えない(失礼)
ちなみに同社の代表取締役社長である赤司竜彦氏はかなりのイケメンだった(蛇足)
彼の容姿はインタビュー記事から見ることができる。メディコム・トイ社の成り立ちが面白くて気がついたら熟読してしまっていた。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』の使い方・遊び方
ベアブリック(BE@RBRICK)の使い方・遊び方についてだが、正直コレクション用のフィギュアだから遊び方もクソもない。
カードゲームのようにバトルすることも出来ないし、小さい子が遊ぶようなファギュアでもない。
赤司竜彦氏がインタビュー記事で話していたが、そもそも彼がメディコム・トイ社を立ち上げるに至ったのは「大人もおもちゃにハマって良いんだ」という発見が元になっているそうだ。
要するに、ベアブリック(BE@RBRICK)は大人向けのフィギュアであり、見て楽しむもの、コレクションして楽しむものなのだ。
そこに余計なギミックは必要ない。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』の人気に火がついた理由
ベアブリック(BE@RBRICK)の人気に火がついた理由は圧倒的多数のコラボレーションを実現したことにある。
では、なぜベアブリック(BE@RBRICK)は多数のコラボレーションを実現できたのだろうか。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』が多数のコラボを実現できた理由
ベアブリック(BE@RBRICK)が多数のコラボを実現できた理由は、その圧倒的な生産効率にある。
というのも、ベアブリック(BE@RBRICK)の構造は非常に単純だ。目、鼻、口はもちろん、そもそもシルエットも全て統一されている。
柄は全てペイントで行われるから、新たな”型”を作る必要がない。気軽にコラボできてしまう。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』は引き算の美学
ベアブリック(BE@RBRICK)が誕生したきっかけは、当時のマーケットニーズに応えようとリアルなフィギュア作りに奮闘していた赤司竜彦氏が「もうちょっと気楽に作れる商品作りたい」と思ったことから始まる。
9つのパーツ(頭・腕・手首・胴体・腰・足)以外何もつけず、ペイントだけでデザインし、肘が動くとかものを持たせることができるとか、一切のギミックを廃止した。
当時のフィギュアマーケットからは考えられない徹底的な無駄の排除により圧倒的な生産スピードを実現したのだ。
ベアブリック(BE@RBRICK)のフィギュアは「真っ白なキャンバス」という例えがピッタリとハマる。Tシャツのテンプレートは沢山あるが、フィギュアのテンプレートはそう多くない。
プラットフォームを制した者が勝つという経済の原理原則を見事にクリアしたことがベアブリック(BE@RBRICK)の勝因だと思う。
最高値の『ベアブリック(BE@RBRICK)』は350万円超え!(驚愕)
そんな世界中から注目を浴びているベアブリック(BE@RBRICK)だが、なんと最高落札価格は350万円超えとのこと。
日本の新卒会社員の平均年収よりも高い。流石に笑う。
MEDICOM TOY×CHANEL(非売品)について
これまで最も高額で取引されたベアブリック(BE@RBRICK)はシャネルとのコラボ品だ。
一般には販売されておらず入手経路については諸説あるが、VIP顧客に配られた説が濃厚だ。
韓国の人気アイドルG-DRAGONのミュージックビデオにも登場したとのこと。
この背景を知らずに見たら500円でも要らない代物だが、知ってしまった以上凄いものだと思わざるを得ない。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』は転売ヤーに大人気!(皮肉)
そんなベアブリック(BE@RBRICK)は最高落札価格の350万円には届かずとも、人気ブランドとのコラボ品は基本プレ値がつくほど人気。
そんなオイシイ商品に転売ヤーが飛びつかないわけがない。
特に中国マーケットで高く評価されている
特に中国マーケットでは高い評価を受けており、飛ぶように売れるのだとか。
あまりの人気ぶりに組織的にレアモデルを仕入れようとする転売事業者も増えているらしい。
防弾少年団とベアブリックのコラボフィギュア『BTS × BE@RBRICK』について
ちなみにベアブリック(BE@RBRICK)はリファインマガジンのアクセス数の柱である韓国アイドル「BTS(防弾少年団)」とのコラボも果たしている。
2019年の5月に発売されたもので、定価は8,800円だった。
『ベアブリック(BE@RBRICK)』にプレミア価格がつく理由【需要と供給の不一致】
ベアブリック(BE@RBRICK)にプレミア価格がつく理由は完全に需要と供給の不一致が原因だ。
需要に対して供給が追いついていない。故に高額であっても買おうとする人が現れ、彼らに売るために転売ヤーが商品に群がる。
1人並ぶとそれに釣られた複数名が並びだすのと同じで、純粋にデザインに惚れ込んで購入している人など僅かだろう。
あまりにも人気だから特別な機能があるのかと思って調べてみたけど、びっくりするほど何もなかったことが判明した。
【私見】クソほどいらない。
今回はベアブリック(BE@RBRICK)はなぜ人気なのか、特筆した機能性もない人形にプレミアが付く理由についてまとめてきた。
完全に俺の個人的な感想になるけど、俺はほしいとは思わない。だってなんの機能性も無いんだもん。
中間になると凡庸になってしまう
とはいえ、メディコム・トイ社の社長である赤司竜彦氏のインタビュー記事はとてもおもしろかった。
「端っこだから面白いのであって、中間になると凡庸になってしまうと思うんです。」というこの言葉は全ての商売に通じるものがあると思う。
あれこれ機能を付け加えてどんぐりの背比べ的に新商品を打ち出す多くのメーカーには耳が痛い話だろう。
自分の興味だけで選り好みせず、たまには全く興味のない分野についても深ぼってみることが新たな知見の確保には必要不可欠だと感じた。