最近、ファッション誌が面白くない。
ハイブランドの広告ばかりで、載っているコーデはコートに10万円、シャツに3万円と、若者のお財布事情を全く理解していない。
今回は、なぜ2~3年のファッション誌を取り巻く環境を分析しつつ、「なぜファッション誌がつまらなくなったのか」について考察する。
ファッション誌は広告ビジネス
ファッション誌がつまらなくなった理由を考察するにあたって、まずは業界構造から理解する必要がある。
実はファッション誌は広告ビジネスだ。
雑誌を読んでいると、冒頭や巻末に企業の広告ページがあるのが分かると思う。
ファッション誌の主な収入源は「広告掲載料」
特に冒頭はハイブランドの煌びやかな広告が占めていることが多い。また、巻末はよく分かんない化粧品ブランドの細々とした広告が多かったりする。
雑誌はこれからの広告を出したい企業から広告掲載料をもらうことによって成り立っている。
雑誌そのものは大した利益にならない
「え?シンプルに雑誌の販売数じゃないの?」と思うかもしれないが、いくら書店で販売しても30~50%は書店や中間業者にマージンとして支払う必要があり、ほぼ利益は残らない。
つまり、ファッション誌はスポンサーの広告掲載料があってはじめて成り立つビジネスモデルなのだ。
雑誌がつまらなくなっている理由
前述のとおり、ファッション誌はアパレルブランドやコスメブランドからお金をもらって広告を載せることで、つまり広告料で成り立っている。
このビジネスモデルが限界を迎えつつあるため、雑誌はどんどんつまらなくなっているのだ。
「ん?どういうこと?」と話が結びつかない人もいるかもしれない。大丈夫、ここから解説していく。
昔は主なトレンドの情報源が雑誌だった
今じゃ考えられないかもしれないが、インターネットやSNSが発達するまで、ファッション好きの主な情報収集源は雑誌だった。
俺が高校生くらいまでの頃は、「ファッショントレンドを知る→雑誌を買う」だったんだ。
まだInstagramよりもFacebookが主流の時代で、情報源も多くはなかった。「WEARとかいうアプリが出てきたけどみんな同じ格好じゃんw」なんて会話をよく友達としたものだ。
SNSの台頭により雑誌は下火に
しかし、今や最新のファッショントレンドはInstagramやYouTubeですぐに知れる。最近ではTikTokも人気らしい。
SNSを使えば簡単に最新のトレンドを知ることができる。しかも、無料で。
もがき苦しんだ結果、広告ページが増えていく
そうなるとみんな雑誌を買わなくなる。
雑誌は売れ行きが伸び悩み、利益を確保できないから今までより多くの広告を載せることでなんとか利益を確保しようとする。
結果、異様に広告ページが多いファッション誌が出来上がるわけだ。
もはや「ファッション誌のメインコンテンツよりも広告ページの方が多いんじゃないか?」と感じるレベル。
読者がほしいのは「自分ごと化できる情報」
誰がわざわざお金を払って広告チラシ(雑誌)を買うだろうか。
しかも、広告料の金払いがいいのはお金を持っているハイブランドのことが多い。そうなると、雑誌に掲載される広告もハイブランドのものが多くなる。
雑誌を買う読者が知りたいのは自分ごと化できる情報であって、40万円もするバッグやコートの商品情報じゃない。
ファッション誌は完全に悪循環に陥っている。
ファッション誌が生き残るための戦略
ここまで、ファッション誌のビジネスの根幹やつまらない内容になりつつある理由を解説してきた。
ここからは、ファッション誌が生き残るための戦略について考察していく。
ターゲットが何を求めているのか理解する
まずやるべきことは、改めて”自分たちの雑誌がターゲットとする読者は誰か”を定義することだ。
そして、思い切って”読者ファースト”なコンテンツ内容に振り切ると良いと思う。
WHOがあってWHATが決まる
例えば、俺が大好きだったファッション誌「メンズノンノ」の読者は20代前半〜30代中盤くらいまでと思われる。
この場合、全く身近じゃないハイブランドの広告ばかりを載せるんじゃなくて、今若者の間で流行っているモノやコトを追いかけるべき。
「あの雑誌を買えばいまの流行りが分かる」が重要
ファッションはいかに「あの雑誌を買えばいまの流行りが分かる」と思ってもらえるかが重要。
生き残るための苦し紛れに広告掲載料を取りに行くのではなく、原点に立ち返ってページをめくるたびにワクワクしたあの頃のメンズノンノに戻ってほしい。
リファインマガジンが目指すのは全盛期のメンズノンノ
リファインマガジンが目指すのは、全盛期のメンズノンノだ。
俺が高校〜大学生の頃のメンズノンノは、街ゆくお洒落な人のスナップや流行り、今キテるファッションアイテムの紹介、人生に役立つコラム記事など、有益情報の塊だった。
本屋さんでメンズノンノをパラパラとめくれば、今の流行りと知っておくべき情報が網羅的に手に入った。
「俺がほしい情報、求めている情報」の詰め合わせ
リファインマガジンは「俺もメンズノンノみたいなワクワクする雑誌を作りたい!」という想いからスタートした。
今俺がほしい情報、求めている情報が手に入るウェブマガジンがリファインマガジンだ。
その前提のうえで、俺と似た価値観やファッションに興味がある人に刺さればいいなと思っている。
リファインマガジンのターゲットはあなた
日本の総人口1.2億人のうち、1000人に1人でも興味を持って読んでくれたなら、それだけで12万人に届く計算になる。
リファインマガジンは「(俺と似た価値観を持つ)同世代のためのファッション&カルチャー誌」として今後も更新し続ける。
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